《地獄花火の精霊/HellFireworks Elemental》
2009年3月23日 アルバイト午後9時。
バイトも残り1時間となり
スーパーにもさすがに客足が減ってくる時間。
いつもの掃除等の仕事もほとんど終わりかけ
残るはお勤め品コーナーに入っている
今日が賞味期限の品物をほとんど投げ売りのような値段で
売りさばくくらいのことしかしないような時間。
そんな中突然店長がバックルームに入ってきて
「今暇か?」
と言ってきた。
実際ほとんど仕事は終わっているので俺は何のことも無く
「ほとんど仕事も終わったので暇ですね」
と返した。
「そうか。じゃあ今からドライのバイト達と手伝ってほしいことがあるから
ドライのバックルームにバケツを持って出てきて」
「分かりました」
どうせゴミかなんかでも捨てに行くのだろうなと軽い気持ちで
バックルームに移動したらそこには壮絶な景色が広がっていた。
花火の山だった。
この花火は夏ならどこでも売っている花火や爆竹だった。
しかしその量が異常だった。その気になればこのスーパーを吹っ飛ばせるくらい
びっしり詰まれた花火の山だった。
「これらを今から1時間以内に協力してバケツの中にすべて袋と花火に分けて
バケツに入れた花火に水を入れて湿らせてほしい。」
そう店長は言ってきた。
俺は帰りたくなった。
しかし帰るわけにはいかないのでとりあえず自分でやれることから始めてみた。
花火自体はよく見るタイプなのだが結構頑丈に包装がされており
テンポよく中の花火を取り出すことが出来ないのでかなりイラッときた。
ドライの他のメンバーもそれぞれ苦戦しているようだった。
爆竹なんかは包装が二重にしてあって本当にいらついた。
作業をしながらドライの人たちといろいろ話していたので
退屈っていうわけではなかったがドライの中の一人が
「これいくつか持っていかね?」
という話を持ちかけてきた。
まあ実際その場に店長はいなかったし小さいタイプの花火くらいなら
持って行ってもバレることはないだろうと思い、
「いいねー。持っていこうぜ」
という感じになった。
その後は自分たちがそれぞれ持っていく分を他のメンバーのロッカーに
入れてもらい9時50分頃になんとか全ての花火を片づけることが出来た。
そのごバイトの時間が終わってそれぞれが帰る時間になった時に
全員ロッカールームに集まってそれぞれが花火を持ち帰った。
自分の持ち帰った花火は「花火大行進」というもので10本くらいの
長い棒状の花火で家に帰った後家族の前で
「突然だけど花火やらない?」
分かってはいたがやはり全員ポカーンとしていた。
その後は事情を話し弟と一緒にどう見ても近所迷惑な
花火をして少し早目の夏を体験した。
ではまた
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